愚者のつぶやき その6
肥満ゲームを産む3要素

・肥満ゲームとは?
ハードが高性能になるにつれてゲーム1本に対するボリュームも多くなってきています。
しかしそのボリュームの多さは必ずしもプレーヤーにとってのメリットにならず、
逆にデメリットになることも多くなっています。今回、そのような
ボリュームが多すぎる事でデメリットが起こることを人に例えて肥満ゲーム
と呼び、
このような事が起こる原因について述べていこうと思います。



・アイテム合成
RPGでは錬金や合成という名前で広く認知されている上、
他のジャンルのゲームでも見かけるようになった
「複数の素材を新しいアイテムに変換する」システムですが
一般的には店からお金で買うよりも手間と時間がかかる欠点があります。

特に強力なアイテムを合成しようとしたら
特定のモンスターだけが一定の確率で落とす素材といったレアアイテムを使わなくてはならないこともあり、
これらアイテム集めがストレスの原因になってしまいます。

「アイテムを合成するシステムを搭載しなくてはならない理由が明確になっている」ゲームならまだしも
一般的なRPGの場合はアイテムは全部お金で買えるようにして金額で希少価値を出したり、
お金でも買えるけど素材を持ってきたら割引する。
といったことでも十分代用できるため無理に入れる必要は無いと思います。



・クエスト
主にRPGで採用されている「寄り道」系のイベントの一つで、
特定の人からの指示に従って行動することでボーナスの経験値やアイテムが
もらえるという代物だが、これも下手すればゲームを肥満化させる原因となってしまいます。

この手のイベントで問題なのはクリアーするのはめんどくさいがやらざるを得ないクエスト、
ここではドラゴンクエスト9の上級職への転職するためのクエストを例に挙げてみます。

これらのクエストは「スライムをスーパーハイテンション状態のドラゴン斬りで5匹倒す」とか
「魔結界を使った者でメタルスライムを3匹倒す」といった
戦闘中に特殊な行動をしなくてはいけない内容、かつ報酬が上級職の開放という無視できない
クエストであるため「めんどくさいがやらざるを得ない」クエストの典型的な例となってしまっています。

これらはプレイ時間を無駄に引き伸ばしているだけに過ぎず、ゲームを無駄に肥大化させてしまいます。
この手のクエストはあくまで「オマケ」扱いにして
「極めたい人だけがやってください。」という風にしておくべきでしょう。

(余談になりますがドラクエ9の上級職のケースでは、メインストーリーが進行するにつれて
 自動的に転職が可能になる形でも問題なかったと思います。また上級職が必須という
 バランスでは無いようなので一応無視はできる模様です。)



・ミニゲーム
いわゆる気分転換のために随所に挿入されるミニゲームもまた、
使いようによってはゲームを無駄に肥大化させる原因となります。

一般的にはドラゴンクエストのカジノのようにオマケ要素となっている場合が多いですが
中にはメインシナリオを進行させる上で必ずやることになるミニゲームが存在するゲームもあります。
幸い、これらの難易度は総じて低くなってはいるもののどうしても「やらされている」感じが強くなってしまい
どんどんシナリオを進めたいという人にとっては邪魔なものとなります。

シナリオを見直して無くてもよいエピソードは削るかサブシナリオに回すといった対策をすれば、
そのような気分転換が無くても中だるみしないシナリオに仕上げることも出来ると思います。



・まとめ
重要な事だが上で挙げた3つの項目全ては使い方によっては
ゲームのクオリティを上げることが出来る重要な要素であり、
「存在自体が悪」というわけではありません。

ただ、「ここにコレが本当に必要なのか」というのをきちんと考えた上で
盛り込んでいかないとゲームのクオリティがあがるどころか、
むしろ低下してしまう原因になってしまいます。

脂肪は体にとって必要なものでも多すぎると体に悪影響が出てしまうのと同じ事で、
ゲームにとってもこれらのシステムがバランスよく盛り込まれていることが大切だとおもいます。





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