愚者のつぶやき その11
プレーヤーの立場



・始めに

ゲームにおけるプレーヤーの立場は
・ゲームの登場人物の一人としてゲームに参加する
・ゲームを外から観客として鑑賞する

大きく分けてこの2種類のどちらかに入っていることがほとんどです。

今回はこの立場の違いがゲームとプレーヤーとの関係にどれだけ影響してくるか
そして我々はゲームとどう接すればいいのか?を述べていきたいと思います。



・登場人物として参加する場合

まず前者ですが、これはドラゴンクエストのような古典的RPGがこれにあたります。
最近ではモンスターハンター等のいわゆる狩りゲーや、
主人公の顔や衣装をカスタマイズできるゲームも
これに入ると思います。

このタイプの主人公にはセリフが存在しないのが大きな特徴ですが
これにはちゃんとした意味があります。

プレイヤー自身はゲーム内のキャラクターと直接会話することは出来ないから。
という事もありますが、ダンジョンの最深部といった特定の場所へ向かったり、
選択肢を選ぶといった「行動」で自分の意思を仲間に伝える事が出来るため、
セリフが無くても他のキャラクターとの意思疎通はできるから無くても問題ないのです。

他にもゲーム開始以前のプレイヤーキャラに明確な過去や経歴が
存在しなかったり、キャラ立ちはされてても記憶喪失だったりする事や、
(これはゲーム開始時点ではプレーヤーはゲームの世界に来たばかりであることを意味する)
ムービーシーンにおいてもプレーヤーの意思を離れて
勝手にしゃべったり動き回る事が無いのも特徴の一つです。



・観客として観賞する場合

一方後者のゲームはファイナルファンタジーやテイルズオブシリーズを代表とする
ムービーやストーリーのドラマ性を主軸としたゲームに多く見られます。

これらのゲームはちょうどマンガやアニメを見るのと同じ感覚でプレイすることを前提に作られており、
主人公は自分のセリフがあるのはもちろんのこと、
ゲーム開始以前の過去をしっかりと持っているのも大きな特徴です。
また主人公が情けなくてろくでもない奴でも大丈夫なのも大きな特徴で、
そこから人間的に成長していく過程を見せることが可能なのはこのタイプの大きな強みです。



・問題点

問題点はこの2つの立場の違いが分かりにくい上、
(何せどちらも同じ「ゲーム」とひとくくりにまとめられてしまうので)
2つの視点をうまくミックスさせているゲームも存在するため、
受け手も作り手も主人公の立場をきちんと考えないと混同してしまう事が起こってしまいます。

劇に役者として登場するのと観客席から劇を鑑賞するのとでは立場が全く違ってくるので
自分はどちら側の人間なのかしっかり理解することはゲームを楽しむのに必要な事だと思います。






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